ピアニスト廣田ゆりの部屋

ジャズピアニスト廣田ゆりのサイト。本人が参加しているノスタルジックジャズバンド「黒船レディと銀星楽団」のサイトにもリンクしています。

斎藤孝さんがコミュニケーションにつぃて述べた文章に、「趣味は映画鑑賞と読書」と言われてしまうとそれ以上聞く気がしなくなる、といった意味の話がでてきて、自分のプロフィールを振り返ってちょっと反省しちゃいました。具体的にナニが好きかいわないと、とっつきが悪いですよね〜。

 で、好きな映画の話をひとつ。ジム・ジャームッシュの「ナイト・オン・ザ・プラネット」。これは世界の5都市の夜のタクシーの話をオムニバス形式でつづった映画です。
 全部おもしろいのですが、中でも特に私が好きなのは、パリの夜編。
「ベティ・ブルー」のべアトリス・ダルという女優さんが盲目の女性に扮して深夜タクシーに乗るのですが、コートジボワール出身の黒人運転手とのかけあいが絶妙なのです。
 最初は「目が見えないといろいろ大変だろう」、と同情的な運転手に対して「そんなことはない、目が見える人よりもわかっていることだってあるのよ」と、アフリカ出身者でもあてられなかった彼の母国を、言葉のなまりだけであててしまう、なんていうエピソードがあって(これ、記憶だけで書いているので、興味をもった方は、ホンモノ見てみてくださいね)、話しているうちに運転手もだんだん自分がなんだか不自由な気分になっていってしまう。そしてみている方も不思議な気分になっちゃいます。この不思議さ加減がクセになるんですけど、この人の映画。

 そしたら最近、銀星楽団でつくった「Night Hawks」という曲に黒船ちゃんがドキッとするような歌詞を書いてくれました。

日の光の中で見えるのがこの世の全てと言わないで
知りたいことの本当は
言葉など見えない暗闇に咲いている

どうです?聴いてみたくなったでしょ?
というか、あの映画のベアトリス・ダルが歌のイメージに重なりました。
曲をつくるようになって面白いのは、自分のつくったメロディにどんな歌詞がのるかわからないことです。今回もタイトルだけは私が先につけてたのですが、この歌詞には正直びっくり。やられました...。 このページのトップへ

コメント

語り得ぬもの?

「大切なものは目にみえない」と言った人がいる。その人は多分、「でも、大切なことは言葉でなら表現できる」と思ったに違いない。そうでなければ彼は、小説を書いたりしなかっただろう。

遠い昔、老子と呼ばれる人が「言葉で表すことができる真実なんて、永遠の真実ではない(道可道、非常道)」と言ったらしい。ちょっと昔にはヴィトゲンシュタインという人が「語り得ぬことについては、沈黙しなければならない」と言って、『論理哲学論考』という書物を締めくくった。言葉で語り得ることの彼岸にあるものについて示唆しようとしたのかも知れない。
目に見えず、言葉で語り得ぬ「暗闇に咲く華」は、どうしたら摘むことができるのか。

風のにおい
足音が
心のうちをあなたまで運んでいる


この黒船嬢の答が正しいかどうかを判断するには、僕には夜遊びの経験が足りないらしい。

嗚呼、またゴタクを並べてしまった(笑)。

  • 2006/01/05(木) 00:34:06 |
  • URL |
  • 村山伝兵衛 #ulYx6Mu6
  • [編集]
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ナイト・オン・ザ・プラネット。

It's good to go.(←「いい気分だ」て意味。)何の前知識もないまま何となくビデオやさんで選んだ1本。今となっては、友達に「おすすめの映画何?」て聞かれたら、必ずといってもいいぐらい、これを挙げます。ジム・ジャームッシュ監督のオムニバス映画。このジャームッ

  • 2006/01/16(月) 01:12:52 |
  • 耳の中には星の砂の忘れ物
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Information

廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト)
  • Author: 廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト)
  • 東京都中野生まれ。かに座AB型

    音楽好きの両親と2人の姉のもと、5歳でクラシックピアノを始める。5年で挫折。でも譜面を見ないで弾くのは大好きだった。

    10代で映画にハマリ、名画館通いしているうちに、なんだかむちゃくちゃ気になる音楽があって、しばらくわからなかったのを、誰かがジャズだと教えてくれた。さっそく学生時代はビッグバンドのサークルに入って、でもなぜかトランペットを吹いていた。

    卒業後は就職してバブルOL生活に突入。まじめに働いていた(つもり)が、向かなかった。会社に行きながらまたジャズを、今度はピアノで始めようと思い、ジャズピアニスト元岡一英氏に師事、そのあたたかく雄大な音楽性に影響を受ける。阪神大震災のあった年「人はこの世の中からいなくなってしまう存在」だということをやっと実感し、やりたい音楽をやるためにOLをやめた。

    95年頃よりプロ活動を開始。ソロ、ピアノトリオ、シンガーの伴奏など、ジャズ・ピアニストとしての精進は続行中。

    2003年春、ボーカリスト「黒船レディ」(水林史)に誘われて銀星楽団に「リリー婦人」として参加。楽曲の提供を始め、今日にいたる。2006年10月「古本屋のワルツ」をリリース。

     大事にしていること。明日はどうなるかわからないからこそ、音楽によって、その場の空気を多数の人とわかちあえる瞬間。
     
    趣味。月夜の散歩。古い洋館めぐり。お茶を飲むこと。本を読むこと。絵を見ること。

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廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト)

  • Author:廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト)
  • 東京都中野生まれ。かに座AB型

    音楽好きの両親と2人の姉のもと、5歳でクラシックピアノを始める。5年で挫折。でも譜面を見ないで弾くのは大好きだった。

    10代で映画にハマリ、名画館通いしているうちに、なんだかむちゃくちゃ気になる音楽があって、しばらくわからなかったのを、誰かがジャズだと教えてくれた。さっそく学生時代はビッグバンドのサークルに入って、でもなぜかトランペットを吹いていた。

    卒業後は就職してバブルOL生活に突入。まじめに働いていた(つもり)が、向かなかった。会社に行きながらまたジャズを、今度はピアノで始めようと思い、ジャズピアニスト元岡一英氏に師事、そのあたたかく雄大な音楽性に影響を受ける。阪神大震災のあった年「人はこの世の中からいなくなってしまう存在」だということをやっと実感し、やりたい音楽をやるためにOLをやめた。

    95年頃よりプロ活動を開始。ソロ、ピアノトリオ、シンガーの伴奏など、ジャズ・ピアニストとしての精進は続行中。

    2003年春、ボーカリスト「黒船レディ」(水林史)に誘われて銀星楽団に「リリー婦人」として参加。楽曲の提供を始め、今日にいたる。2006年10月「古本屋のワルツ」をリリース。

     大事にしていること。明日はどうなるかわからないからこそ、音楽によって、その場の空気を多数の人とわかちあえる瞬間。
     
    趣味。月夜の散歩。古い洋館めぐり。お茶を飲むこと。本を読むこと。絵を見ること。

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