ピアニスト廣田ゆりの部屋

ジャズピアニスト廣田ゆりのサイト。

News! 5/21(水)19:30~高田馬場サニーサイドにてピアノトリオいたします!

3月のスケジュールはコチラ

4月のスケジュールはコチラ

最近読んで面白かった2冊の本から、偶然に似たようなメッセージを読み取ってしまった件。

その2冊とは、
「すべてのJ・POPはパクリである」(マキタスポーツ著/扶桑社刊)
「さよならソルシエ」(穂積著/フラワーコミックスアルファ)

そして、そのメッセージとは、
芸(術)をショービジネスとして成功させるためには(特に日本では)、「物語」が重要。

ということです。
あ、要約してみるとシンプルすぎて言いたいことが薄まってしまいましたが。。。
(各々の本の内容は、各々読んでみてくださいね。ここからは「私」の勝手な感想文でございます)

それぞれ去年執筆されたであろう2冊からこういうメッセージを私が受け取ってしまったのは、
もちろん最近世間を賑わしているクラシックの「ゴーストライター」(?)の件があったからだと思いますが、
そちらの話はあまり詳しくないので、おいといて。

マキタスポーツさんの本に出てくる
「日本人は『人格』の部分に過去にさかのぼった歌い手の成長物語などの『文脈』を含めて作品を楽しんでいます。」という一文に、ものすごくうなずいてしまったのです。

JPOPというのはとなりの畑かと思ってたんですが、
この本はジャズの世界にも通じるいろんな示唆に富んでいて、
もう、それについては書ききれないくらいいろいろ考えさせられたのですが、

ジャズがいま斜陽(?)なのは、
マイルス以来の伝統で、「物語」を排するスタイルが災いしているんではないかとか、
いやいや、マイルスだって「オレはこびない」という「物語」を紡いでいたんじゃないかとか、
それを若干模して、オシャレしないシンプルな格好で、無愛想にステージに立つのが流行ってたので、お客さんにびびられたんじゃないかとか。。。

文章が暴走しないうちに。
商売になるかどうか以前に、音楽を演奏する純粋な楽しさというのは存在し、
それのためには、逆に「物語」がじゃまになることもあります。
演奏する立場では、やはり「音」が先にあって、それから「物語」(はあってもなくてもいいな)。

昔、先輩ミュージシャンから、ジャズを演奏するのは、
「みんなでいっしょに宴会しているようなもんなんだから、好きにやりゃあいいんだよ」
と教わって、今でも折にふれ思い出すのですが、
「物語」があまりに先行しすぎるのは、私にしてみると
身の上話が長すぎて肝心の酒がまずくなっている、という状態に近いです。
あ。もちろん、「好きにやりゃあいい」ので、それももちろんアリなんですが、
そして、肝心の「酒」が美味しければ、身の上話がツマミになる場合もあるし。
身の上話がくどすぎたら、その人とはもう飲まなきゃいいんだし、
逆に、身の上話が面白すぎるから、あの人の宴会では、もう飲まないでシラフでいたいわ♪


なんの話だ。




ジャズではないのですが、
「Once/ダブリンの街角で」(ジョン・カーニー監督)という映画に、
見知らぬ男女が街角で出会って、
お互いのことはよく知らないまま、セッションする、という場面が出てきます。
この、ふたりの音が段々馴染んできて、すごくイイ感じになっていくシーンは、
淡々と描かれているだけに、
「物語」以前の「純粋な音の楽しさ」が伝わってきて、とても印象的でした。

言葉を交わすというのはコミュニケーションの最強の手段だと思いますが、
「音楽」というのは、それとはまったく別のコミュニケーションだと思うのです。
うまく言えないけど、たとえば、その人と言葉で話すのが苦手でも、
音楽でなら通じ合うことは可能だし、もっといえば、音楽でしかつながれない人もいるかもしれない。
言葉でつながれても、音楽ではつながれないこともあるかもしれない(うわ、胸が痛い)。

つまるところ音楽も、言葉といっしょでコミュニケーション能力に差はあるので、
まだまだまだまだ未熟な私は、日々精進。
胸が痛いことがないように、今日も心して、演奏したいと思います。
(もちろん、オイシイ「物語」は歓迎いたします。)









関連記事
スポンサーサイト
このページのトップへ

コメント

お酒も音楽も文章も。 

隅々まで一つ一つ納得して共感出来ました。リリー夫人のピアノの様に暖かく心に染み入る情感を覚えました。いいライブを聴いた後の様な、年月の価値の詰まった年代物ワインを味わった時の様な、心地良い感動に包まれています。春のお彼岸に、いい出会いが出来ました。ありがとうございます。因みに、私は根っからの現代音楽ファンでもあるのですが、佐村河内守と言う人には最初から胡散臭さを感じて、全く作品は聞いて来ませんでした。

あんとんさま

v-353過分なおほめの言葉、恐縮します~。
だまって良酒を楽しむあんとんさんに、そんなふうに言っていただけてうれしいです。

ほんっと。お酒の比喩に恥じないように、精進いたしま~す。

  • 2014/03/23(日) 23:41:39 |
  • URL |
  • ヒロタ #-
  • [編集]
このページのトップへ

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

このページのトップへ

トラックバック

FC2Ad

Information

廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト・作曲)
  • Author: 廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト・作曲)
  • 東京都中野生まれ。かに座AB型

    廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト・作曲)プロフィール

    ジャズピアニストとして都内ライブハウスに出演しつつも、スウィンギー&スウィートな音楽性で、ノスタルジックポップスバンド「黒船レディと銀星楽団」、エキゾな「モスランズ」、ビッグバンド「Gentle Forest Jazz Band」のCD、ライブに参加するなど、
    ユニークな活動を続けている。

    「古本屋のワルツ」に代表される、古い映画音楽のような、ロマンチックなメロディメイキングのセンスに高い評価がある。

      現在はバイオリンとコンガを主軸としたライブシリーズ「超素敵音楽会〜月夜の散歩」が好評。

    リーダーCDに「ザ・ローリング・リリ~リリー婦人の7分半ピアノロール」(2009)、「ノミのサーカス」(2015年8月)など。

    大事にしていること。明日はどうなるかわからないからこそ、音楽によって、その場の空気を多数の人とわかちあえる瞬間。

    趣味。月夜の散歩。古い洋館めぐり。お茶を飲むこと。本を読むこと。絵を見ること。昼間のビール、夜更けのワイン。

    レッスンもいたします♪
    生徒募集中。
    Contact
    hiro-yuri@m3.dion.ne.jp
    (ハイフンをとってご連絡ください)

Search

Calendar

03月 « 2017年04月 » 05月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

 

カテゴリー

最近の記事

最近のコメント

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
音楽
3192位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
ジャズ
141位
アクセスランキングを見る>>

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する