話変わりますが、高校生の時に、学校の近所のW松竹という名画座で、いろんな映画を見ました。お気に入りはウディ・アレンでしたが、この人の映画は音楽が抜群にいいのです。さりげないホームパーティの場面で(自分ちでピアニストを雇うような大規模なパーティができる生活ってのもすごいし、全然さりげなくないですが)、ピアニストが弾いているスタンダードジャズがかっこよくて、高校生のときの私の「ジャズ」との出会いはその辺りから始まりました。
で、その中でもいちばんよく見た映画「アニーホール」。
音楽聞きたさに何度も見たわりには「なんだか難しくてよくわからない」映画でした。もちろん、筋はのみこめるんだけど、なんていうか、登場人物の気持ちというか機微というか、映画の核心みたいなところがつかめなくて「それがどうした....?」という感じだっだったわけです。
ところが、先日、ケーブルテレビで放映されたのを久しぶりに見たところ、これが「かにみそ」だったことがわかりました。
お話は、友達の紹介で出会った男女が、ぎくしゃくと仲良くなって、一緒に素敵な時間をすごし、でもやがて少しずつ行き違って、ついには別れのときを迎えるというよくある話です。それをファニーで辛口な演出で見せてくれるわけですが、今ではかにのカラに日本酒をついで飲んでしまうほど「かにみそ」のおいしさがわかるオトナになった私は、この映画の味わいも骨身にしみるほどわかるようになってしまいました。
なぜ、あの頃の私にはこの映画の意味がわからなかったのでしょうか...。黒船ちゃんに「永遠の乙女」とか書かれている私ですが、しっかり年はとっているってことでしょうね。
当時、ダイアン・キートンがけだるく歌う主題歌が好きで、映画館から帰るとうちのピアノで記憶をたよりに再現しようとしていたのですが、この曲だけは、実は今でも出自が謎です。スタンダードというよりは、この映画のためだけの主題歌なんでしょうか?今まで仕事してきた中でこの歌に出会ったことはまだないです。メロディがそんなに劇的に動く曲ではないんですが、ダイアン・キートンが歌うと、なんだかいいんですよね...。
確か出だしは「Since I found you...」。
ちなみに、当時主人公の気持ちが「?」だった映画で、今もわからない「ふきのとう」映画。それは、「タクシードライバー」。これも音楽目当てに何度も見ました。あ、でもわからなくていいのかもしれない、この映画に限っては...。

