ピアニスト廣田ゆりの部屋

ジャズピアニスト廣田ゆりのサイト。

修辞法です。
シェイクスピアの例をだすまでもなく、西洋人の得意技。
おもに異性をくどくときに威力を発揮します。
日本では平安歌人くらいまではまだ太刀打ちできるけど、近年は。。。う~ん、どうだろ。

「お父様への愛は海より深く、山より高く」(たしかfrom「リア王」)とか、
「君を6月のバラにたとえよう」(同じくシェイクスピア)とか、
「かささぎの渡せる橋におく霜の」(from百人一首とか)

もっとわかりやすくいえば、
「君のためならたとえ火の中水の中」的な、アレです。
ほとんどがMade in Americaなジャズのスタンダードナンバーの歌詞にも、そんな修辞法が満載ですが、
私が好きだなあと思ったのをいくつか。


おなじみ「Fly me to the moon」(Bart Howard)
「私を月に連れて行って。星に囲まれて遊んでみたい。木星や火星の春が見たいわ。
 ...っていうのは、手を握ってキスしてほしい、って意味なんだけど」
あまりに修辞が過ぎて、説明がないとわかんないです。

「All of you」(Cole Porter)
「君のスイートなとこが好き、純粋さが好き、君の瞳が好き。腕が好き。口が好き」ってほめているうちに
舞い上がって、
 「君の東も西も南も北も好き。」
よおく考えると、アンタ世界中が好きなんじゃない!でもかわいい~♪

「How long has this been going on?」(G. Gershwin/I. Gershwin)
恋に目覚め、夢中になってとろけそうな主人公の一言。
「コロンブスが新世界を発見したときってこんな気分だったんじゃないかしら」
おしゃれ。座布団一枚。

「Our love is here to stay」(G. Gershwin/I. Gershwin)
「僕たちの愛は永遠。
 ロッキー山脈が崩れても、
 ジブラルタル海狭がなくなって土くれに戻っても」
出た。アメリカ人の本領発揮な感じ。
これを照れずに言えるのは歌だからかも。

そして、私が今いちばんスゴいと思っているのは、コレ。
「My Romance」(Lorenz Hart/Richard Rodgers)
「私のロマンスには月も星も珊瑚礁も必要ないの」
と、オーソドックスな比喩から始まり、オチが、
「あなたがいればスペインの城もいらないの。私のロマンスはあなただけいればいいの。」

「スペインの城」っていう比喩はなかなか出てこないです。
これがルイヴィトンのバッグなんかいらないのとか、車は国産車でいいのとか、そういう現実的(?)な例じゃないところがエライ。
「そうかあ。スペインの城はあげられないけど、じゃあ、ダイヤの指輪くらいなら買ってあげようか」
と、うっかり思ってしまいそうな...思わないか。

ていうか、「スペインの城」。
これが出てくるバックボーンをもっている人とお付き合いするのは大変そう。。。

ちなみに、私は女性シンガーの伴奏が多いので、訳詞は女性の立場になっているものもありますが、もちろんもとは男性が歌っていたものも多いので、これらの修辞法は男女共用と思っていただいて大丈夫です。
効果のほどはわかりませんが。。。




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揺ぎなき

"Our Love is Here to Stay"は、サニーこと石川早苗さんCDにも入っていますが、僕のお気に入りの曲のひとつです。

ところで、この曲の歌詞の以下の部分ですが、

In time the Rockies may tumble, Gibraltar may crumble
They're only made of clay
But our love is here to stay

この「ジブラルタル」というのは「海峡」ではないと思います。
日本人にとっては地理の授業で「海峡」が知られていますが、欧米人にとっては観光地としての「ジブラルタ・ロック」も思い浮かべるようです。

ジブラルタという外資系の生命保険会社があって、そのHPでは以下のように紹介されています。
http://www.gib-life.co.jp/st/about/company/outline.html

「ジブラルタ海峡に位置する長さ4.8km、高さ400mにもおよぶ巨大な岩山“ジブラルタ・ロック”。」「創業者ジョン・F・ドライデンは、『安心』と『信頼』の象徴である『ジブラルタ・ロック』をコーポレートマークに採用し、お客さまに安心をお届けし、お客さまの信頼に値する会社であらんことを、そのマークに込めました。」「ジブラルタ生命という社名は、そのロゴマークとともに、ジブラルタ・ロックにちなんでいます。」

というわけで、歌詞の引用部分は、

「ロッキー山やジブラルタルの岩が崩落したとしても、
そんなの泥で出来てるようなもんじゃない。
私たちの愛はここにあって、それらよりも揺るぎないのよ。」

という感じになるのだと思います。
米州と欧州の中で最も強固なものを並べて、それよりも「私たちの愛」は「堅い」のよ!と。

ちなみに、石川さんの歌うこの曲ですが、1番は可憐なレディの声色で
「私たちの愛はゆるぎないわよね」
という雰囲気に歌うのですが、2番はやや力強くなって
「ここ以外に愛があるとでも思っているの!(あなたは逃げられないのよ。浮気なんか許さないから。)」
というような(妻の)ニュアンスが出てきて、とても恐ろしい、もとい、とても素敵です……。

  • 2011/11/23(水) 19:28:51 |
  • URL |
  • 村山伝兵衛 #ulYx6Mu6
  • [編集]
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廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト・作曲)
  • Author: 廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト・作曲)
  • 東京都中野生まれ。かに座AB型

    廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト・作曲)プロフィール

    ジャズピアニストとして都内ライブハウスに出演しつつも、スウィンギー&スウィートな音楽性で、ノスタルジックポップスバンド「黒船レディと銀星楽団」、エキゾな「モスランズ」、ビッグバンド「Gentle Forest Jazz Band」のCD、ライブに参加するなど、
    ユニークな活動を続けている。

    「古本屋のワルツ」に代表される、古い映画音楽のような、ロマンチックなメロディメイキングのセンスに高い評価がある。

      現在はバイオリンとコンガを主軸としたライブシリーズ「超素敵音楽会〜月夜の散歩」が好評。

    リーダーCDに「ザ・ローリング・リリ~リリー婦人の7分半ピアノロール」(2009)、「ノミのサーカス」(2015年8月)など。

    大事にしていること。明日はどうなるかわからないからこそ、音楽によって、その場の空気を多数の人とわかちあえる瞬間。

    趣味。月夜の散歩。古い洋館めぐり。お茶を飲むこと。本を読むこと。絵を見ること。昼間のビール、夜更けのワイン。

    レッスンもいたします♪
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