ところで、昨日やった中で久しぶりの1曲「想い出のサンフランシスコ」。なかなか自分のものにできなくてどちらかといえば苦手な部類に入るんですが、リクエストがとても多く、そしてなんというか、気になる1曲なのです。
以前、OLをやっていたとき勤めていたのは貿易関係の会社でした。入社した直後は、日本製品の輸出が全世界に向けて絶好調で、「貿易摩擦」とかいってアメリカから文句いわれたりしていた時期でした。
そんなとき年配の先輩がしみじみつぶやいていたのは、「昔はね、日本製品を外国に買ってもらうなんて、大変だったんだよ。買ってくださいって、お願いしにいってた時代があったんだよ。今じゃ考えられないかもしれないけどね」
その人が石川好さんの「ストロベリーロード」という本を薦めてくれました。それは、サンフランシスコに移民してイチゴ栽培で身をたてようとしている在米邦人の物語で、今でもよく覚えているのは、イチゴ畑で作業していると、日本家電メーカーのセールスマンが「炊飯器」をセールスしにくるくだりです。あれ、1950年代か60年代くらいの話だったでしょうか?(相変わらず記憶を頼りに書いているため不正確だったらごめんなさい)
つまり、普通の家電製品はまだアメリカに売れるほどの競争力がなかったので、炊飯器を在米移民向けに売っていた、ということなんですが。
「想い出のサンフランシスコ」を弾くたびに、このことを思い出します。ゴールデンゲートブリッジとかじゃなくて、「炊飯器のサンプルをかかえて汗をふきながら異国のイチゴ畑を歩く日本人セールスマン」のイメージを思い描いてしまうんです。
リクエストしてくださるのはやっぱりご年配の方が多いのですが、気のせいか「今じゃ考えられないかもしれないけどね」って心の中でつぶやいているような気がします。
考えすぎかもしれないんですけどね。だから、この曲、苦手ながらも気持ちこめて弾きたい1曲なのです。

