ピアニスト廣田ゆりの部屋

ジャズピアニスト廣田ゆりのサイト。

 最近の疑問。
 男性が女性に捧げた曲は数多いが、女性が男性に捧げた曲で、タイトルに名前が入っている曲はない。。。のはナゼ?


 先日ラーシュ・ヤンソンのライブを見に行ってきたのですが、その時、「かわいいかわいい孫娘の曲をつくりました♪」ということで、「ヒルダ」という、それはそれは美しい曲を演っていました。

 そういえば女性の名前がタイトルについた曲って、いい曲が多いのよね。
「Emily」(Johnny Mandel)、
「Waltz for Debby」(Bill Evans)、
「Miyako」「Ana Maria」(Wayne Shorter)、
「Dindi」(Antonio Carlos Jobin)、
「Naima」(John Coltrane)
「Rosetta」(Fats Waller)

ジャズにかぎらなくても「いとしのレイラ」とか「Michelle」とか「Tammy」、邦楽だったら「メリージェーン」とかサチコとかジュンコとかいろいろあった気がします。

 じゃあ、男名前がついたものは???
「I remember Clifford」(Benny Golson)
「Mr.P.C」(John Coltrane)
「James」(Pat Metheny)
「Bud Powel」(Chick Corea)
「Sir.Duke」(Stevie Wonder)

あ、でもコレって、全部男が尊敬する男ミュージシャンに捧げた「トリビュート」曲ばかりだ...。
こういうのなら、女性ミュージシャンでもつくっていそう。


ではトリビュートじゃない男名前曲は...?
「Johnny B. Good」(Chuck Berry)
「Mack the Knife」(Kurt Weill)
「Mr.Bojangles」(Jerry Jeff Walker)
「箱根八里の半次郎」(氷川きよし)

う~ん。どれも男が男のことをうたったものばかりですね。
しかも、この4曲は、なんというか、伝承系というか、物語系の内容というか、とにかく、恋人に捧げる、とは全然違う分野のものですよね。

女性ミュージシャンによる、パーソナルな男性(フィクションでもいいから)に捧げた曲でタイトルに名前がはいっている、っていうのはないんだろうか?
「○○(名前)はかっこよくてやさしくて、ステキなの~♪」的なやつ。

この疑問を何人かのまわりのミュージシャンにぶつけてみたら、
「女性にはそういう、あふれる想いを形のないものに託す、っていうロマンがないんじゃないですか?」とベーシストS氏。

いや、そんなことはないんですが、あふれる想いくらいもったことはありますが、私だって誰かに曲をプレゼントしたことはありますが、

「じゃあその時のタイトルはなんだったんですか?」
「パンプキンワルツ」
「??」
「一緒に『ほうとう』を食べたのがとても楽しかったので、それを曲にしました。」

というわけで、タイトルに相手の名前をつけようとはみじんも思わなかったのです。
...というか、曲をつくっているヒマに、おいしいもの作って食べさせてあげたほうがいいんじゃないかと、その時は思ってたのですよね。

 私の例はおいといても、では世の女性ミュージシャンはなぜ、身近な男性に捧げる、男性の名前のタイトルの曲をつくらないのか、理由を考えてみました。

①そもそも女性の「作曲家」が少ない。
②女性ミュージシャンは、男性の影がチラつくと人気にかかわるから、自粛している。
③女性はメンタル的にそういうことはしない生き物だ。
④ホントは該当曲はたくさん存在するんだけど、私が知らないだけ。

①は、昔ならいざ知らず、今はたくさんいると思うので除外(ただし、スタンダードジャズの世界には少ないのは確かですよね)。

②は、これは、つまんない理由だけど、案外ありそうな気がします。

③は、S氏の説ともちょっとつながりますが。
 たとえば、女性ジャズ・ベーシストは結構いるのに、女性ジャズ・ギタリストが思いきりレアである、というのと同じで、具体的な理由は謎だけど、女性にはなぜか敬遠される(というかやりたがらない)ことのひとつだ、ということなのかも。
 自分のことをふりかえって考えると、そういう曲をつくったとしても、それを仕事の現場にもっていって、まわりのミュージシャンに譜面を配ることを考えただけで...もう恥ずかしくて演奏できないなあ。


④は、ぜひ、誰か知ってたら教えてください。J Popとかに意外にありそうな気はしているんですが、ほとんど知らない世界なので...。
 トリビュート系じゃなくて、身近な男性に捧げる男名前の曲ですよ~?

 もしくは、「オレは自分の名前が入った曲を捧げられたことがある」という体験談のある方、こっそりお話を聞かせてください。たぶんないと思いますが。

 




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コメント

さすがリリー婦人

リリー婦人の書く日記は、というか文章はとても面白いです。
私も昔の恋の相手を思って書いた歌詞もありますが、確かに名前は入れようなどとも思ったことはありません。
やっぱりストレートにそれが出来るのは男性だからなんでしょうか。。。
あと、女性の名前は美しい恋のメロディに対してまろやかで響きが良いものが多い気もします。
悲しくても楽しくても。
男性の名前でも、男か女か分からないような名前ならば登場しても様になるかも知れませんが、男性の名前は角ばって聴こえるあたりが音の飛び方的にラブ・ソングにはまらないんじゃないでしょうか…

  • 2009/10/16(金) 00:43:45 |
  • URL |
  • 黒船レディ #amXlFcx2
  • [編集]

なるほどー

史ちゃん、女性ミュージシャンならではの視点の意見、ありがとう!たしかに、男性の名前は角張っているのが多いかもしれませんね。

その後、いろんなミュージシャンにこの話を振ったところ、「男性が女性目線で書いた男性の名前の入った曲」として、「ジャニーギター」とか、「そんなヒロシにだまされて」(古い...)とか、教えていただきました。

でも女の人が書いた該当曲は、やはりまだ未発掘です。やっぱ、ありえないのかな~。

  • 2009/10/18(日) 21:33:28 |
  • URL |
  • ヒロタ #-
  • [編集]
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廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト・作曲)
  • Author: 廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト・作曲)
  • 東京都中野生まれ。かに座AB型

    廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト・作曲)プロフィール

    ジャズピアニストとして都内ライブハウスに出演しつつも、スウィンギー&スウィートな音楽性で、ノスタルジックポップスバンド「黒船レディと銀星楽団」、エキゾな「モスランズ」、ビッグバンド「Gentle Forest Jazz Band」のCD、ライブに参加するなど、
    ユニークな活動を続けている。

    「古本屋のワルツ」に代表される、古い映画音楽のような、ロマンチックなメロディメイキングのセンスに高い評価がある。

      現在はバイオリンとコンガを主軸としたライブシリーズ「超素敵音楽会〜月夜の散歩」が好評。

    リーダーCDに「ザ・ローリング・リリ~リリー婦人の7分半ピアノロール」(2009)、「ノミのサーカス」(2015年8月)など。

    大事にしていること。明日はどうなるかわからないからこそ、音楽によって、その場の空気を多数の人とわかちあえる瞬間。

    趣味。月夜の散歩。古い洋館めぐり。お茶を飲むこと。本を読むこと。絵を見ること。昼間のビール、夜更けのワイン。

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