ピアニスト廣田ゆりの部屋

ジャズピアニスト廣田ゆりのサイト。

 ヘミングウェイの「海流の中の島々」という小説は、キューバの島を舞台にした夏休みの物語で始まります。小説全体は、胸の痛くなるような孤独の話なのですが、この最初の部分はとても楽しくて好きです。
 普段は離婚した奥さんのもとにいる3人の息子が、画家である主人公の住む島に訪ねてきて、夏休みを一緒にすごすのですが、「老人と海」さながらの、大がかりな魚釣りの話がでてきたりして、なかなかスリリングです。
 釣り上げるのは大人にとっても非常な危険をともなうほどの巨大魚が針にかかったとき、釣り上げようと意地になっている少年を、ひきとめたいけどふみとどまる主人公が言う言葉がよくて、

「お父さんはね、デイブがこの魚をつかまさえすれば、ほかのことが全部やりやすくなるようなものが一生デイブの心の中に残る、そう信じてなかったとすればとっくの昔にこんなことはやめさせてたろう」

....男の子の夏休みだなあ.....。
この先の人生、「ほかのことが全部やりやすくなるようなものが一生心の中に残る」、そんなことを経験をするために夏休みってあるのでしょうね。というか、ほとんどの夏休みの物語は、そういうことを描くためにあるんだろうなあ。
 「夏休み」がまったく関係ない職業についてしまったため、この季節になるそういう本を読みたくなるのです。

 ところで私は昔ヘミングウェイのほかの作品を読んで、「よくわからなかったけれど、出てくるお酒がとてもおいしそうだった。飲んだことがないので味がわからなくてとても残念です」という読書感想文を書いたことがあります。

 今日弾いてたバーで、「この酒はヘミングウェイが愛した酒でね...」といって女の子にフローズンダイキリをおごっている人がいたので、なんとなく思い出して書いてみました。
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冬休み

「男の子の夏休み」と言われても、何故かピンとくるものがなくて、どうしてだろうかと考えてみたら、僕が小学から高校までを過ごした北海道では、本州よりも夏休みが1週間くらい短いんですよね。
海に入れる期間も短いし、夏休みの思い出と言っても、お盆の思い出くらいしかありません(笑)。
その分、北海道では、子供が育つのは「冬休み」かも知れません(笑)

  • 2008/08/17(日) 09:40:53 |
  • URL |
  • 村山伝兵衛 #ulYx6Mu6
  • [編集]

映画とお酒

映画に出てくるお酒ということで僕がまず思い出すのは、「M*A*S*H」(マッシュ)という映画に出てきた「マティーニ」です。朝鮮戦争時の米軍の移動野戦病院が舞台なのですが、外科手術を終えた医師たちが将校バー(と言ってもテント)で「とびっきりドライなマティーニを持ってきてくれ」と言うんです。
マティーニで「ドライ」というのは、ベルモットを減らしてジンの割合を高めたものなんだそうです。「とびっきりドライなマティーニ」というのは「ジン」そのもののようです。だったら、「ジンを」と頼めばよさそうなものですが、そこを「とびっきりドライな」というところがお洒落みたいです。
僕が今でもジンが好きなのは、この映画の影響かも知れません。
残念ながら、女の子を口説くためのネタに使ったことはないですが……。

  • 2008/08/17(日) 10:06:31 |
  • URL |
  • 村山伝兵衛 #ulYx6Mu6
  • [編集]

「マッシュ」のテーマは確かビル・エバンズも録音していたような気がします。曲は知っているんだけど、映画はまだ見たことがありません。

 なにはともあれ、「ドライマティーニ」。
硬派探偵モノには欠かせないアイテムですが、強すぎて私はあまり飲んだことがありません。なぜかオリーブがくっついてくるのがカッコイイのですよね。

 ところでオリーブとかサクランボとかがカクテルについてきたとき、種をどうするか困りますよね。カスがついたまま、お皿の端においといたりするのはあまりエレガントじゃないなと...。先日見たテレビ番組では、「紙ナプキンなどに包んでさりげなくポケットに入れてもって帰る」のがツウだと言っていました。

えええ。フィリップ・マーロウのポッケの中はオリーブの種だらけなの...?

  • 2008/08/18(月) 00:05:46 |
  • URL |
  • ヒロタ #-
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Suicide is painless

「マッシュ」には映画版のほかに連続テレビ番組版があって、僕が中学生の頃(1970年代後半)の頃、深夜に放映されていました。当時はビデオなどなかったですから、深夜に起きて見ていましたね。そのテーマ曲は、よく覚えていますし、想い出の曲でもあります。
この曲のタイトルは(ご存知だとは想いますが)「Suicide is painless(自殺は無痛)」というやつで、歌詞は神秘的というか幻想的というか「暗い」というか、といった感じですが、曲の方も、さまざまなアレンジができる秀作です。
長らく「古い映画のマイナーな曲」だと思っていたのですが、村上春樹さんが『村上ソングズ』(中央公論新社・2007年)という本の中で採り上げており、ある世代のある種の方々にとっては、心に深く残っている歌のようですね。

  • 2008/08/19(火) 01:14:03 |
  • URL |
  • 村山伝兵衛 #ulYx6Mu6
  • [編集]

「マッシュ」について内容は全然知らないのですが、私の持っていた映画音楽の曲集に「自殺のよろこび」という強力なタイトルでのっていたのが印象に残っています。原題はソレですか...。村上春樹さんはどんなふうに書いてあるのでしょうか。興味ありますね。
 ところで似たような趣旨の本で、和田誠さんが「いつか聞いた歌」というエッセイ集を昔だしていたそうです。宮崎有加嬢がMCで言っていたのがとても面白そうだったので、今最も読みたい本のうちのひとつです。

  • 2008/09/02(火) 02:57:30 |
  • URL |
  • ヒロタ #-
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廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト・作曲)
  • Author: 廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト・作曲)
  • 東京都中野生まれ。かに座AB型

    廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト・作曲)プロフィール

    ジャズピアニストとして都内ライブハウスに出演しつつも、スウィンギー&スウィートな音楽性で、ノスタルジックポップスバンド「黒船レディと銀星楽団」、エキゾな「モスランズ」、ビッグバンド「Gentle Forest Jazz Band」のCD、ライブに参加するなど、
    ユニークな活動を続けている。

    「古本屋のワルツ」に代表される、古い映画音楽のような、ロマンチックなメロディメイキングのセンスに高い評価がある。

      現在はバイオリンとコンガを主軸としたライブシリーズ「超素敵音楽会〜月夜の散歩」が好評。

    リーダーCDに「ザ・ローリング・リリ~リリー婦人の7分半ピアノロール」(2009)、「ノミのサーカス」(2015年8月)など。

    大事にしていること。明日はどうなるかわからないからこそ、音楽によって、その場の空気を多数の人とわかちあえる瞬間。

    趣味。月夜の散歩。古い洋館めぐり。お茶を飲むこと。本を読むこと。絵を見ること。昼間のビール、夜更けのワイン。

    レッスンもいたします♪
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