ピアニスト廣田ゆりの部屋

ジャズピアニスト廣田ゆりのサイト。本人が参加しているノスタルジックジャズバンド「黒船レディと銀星楽団」のサイトにもリンクしています。

 ウディ・アレンの映画に「ギター弾きの恋」というステキな映画があります。これは、エメット・レイという伝説の天才ギタリストのお話を、彼を知るいろいろな人のインタビューを交えて描くドキュメンタリー......仕立ての「ホラ話」です。
 しかしさすがはウディ・アレン、評論家のナット・ヘントフとかが実名ででてくるし、インタビューで語られる逸話も細部までリアルで、ジャンゴ・ラインハルトの話とかがでてくるので、知らない人は、うっかり実在しない「エメット・レイ」のCDを買いに走ってしまう、という手のこんだイタズラなのでした。
 まだ見てなかった方、もう数年前の映画だし、ネタバレをお許しください。

 これを見た直後、「テルミン」という映画を見たのですが、「今回はだまされないわ!」思って意気込んでたら、これは、正真正銘、ホンモノのドキュメンタリーでした。テルミンという面妖で魅力的な楽器を開発したテルミン博士の物語なのですが、テルミン博士があまりに印象的な風貌なのと、演奏場面がなんていうか「目が離せない」映像だったので、絶対作り物だと思ったのです。ベタな感想ですが、事実は小説よりナントカ、というやつです。

 私はこの手のホラ話が好きです。
 ホラ、というなら、SFとかファンタジーとかがいいのかといえば、そうではなく、ホントっぽいお話なんだけど、前提に大嘘が紛れ込んでいて、「ね、これって実は嘘なんでしょ〜?」とかって言いながら、うっかり聞き入っているうちに、気持ちよくだまされてしまうのが、私にとってのホラ話です。

 小説でいったら、ガルシア・マルケス「百年の孤独」とかジョン・アービング「ガープの世界」とか、あと、「バベットの晩餐会」なんていうのもかなり気に入りです。
 最近出逢った小説家でいちばんのホラ上手だと思うのは、ポール・オースターという人です。代表作の「ムーン・パレス」もよかったのですが、私の好きなのは、「幽霊たち」という探偵物語の中にでてくるブルックリン・ブリッジのエピソードです。この作家に出会って割と最初の段階で読んだのですが、すっかり本気にして、事実関係をネットで調べたりしてしまいました。なんだか飲み屋で隣り合ったおじさんから「親戚の話なんだけどね」とかいって壮大なホラ話を聞かされたみたいな感じ。

 しかし、この手の小説を読んでいると、特に「百年の孤独」なんて読んでいると、浮世のことは全部「壮大なホラ話」でできているような気がしますね。....話が大きくなりすぎかなあ。
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コメント

こんにちは。ついつい…。
私も、偉大なストリーテラーのtalesがすごいのは、よくできたホラのなかでこそ真実が際立って浮かび上がってしまう、からではないかなぁと思います。美しさと、痛みとを伴って胸刺すホラ、なんかが私はハマっちまいます。笑
オースターの『最後のものたちの国で』は読んでいて決して気持よくはなかったけれど、カズオ・イシグロの『Never Let Me Go』は読み進むにしたがってのココロモチが似ています。この手の?終末的小説では『渚にて』が今でもいちばんすごいなぁと思います。

  • 2008/06/19(木) 16:01:57 |
  • URL |
  • くど #-
  • [編集]

くどちゃん先日はありがとう!

実は名作「渚にて」を私はまだ読んでいません。この機会に読んでみようかなあ。創元推理文庫あたりかしら。

お借りした「トルコ」の本、はまりまくって今読んでいます。また、ジャズとアルコールをサカナに「読書会」をしましょうね。

  • 2008/06/21(土) 11:34:22 |
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  • ヒロタ #-
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廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト)
  • Author: 廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト)
  • 東京都中野生まれ。かに座AB型

    音楽好きの両親と2人の姉のもと、5歳でクラシックピアノを始める。5年で挫折。でも譜面を見ないで弾くのは大好きだった。

    10代で映画にハマリ、名画館通いしているうちに、なんだかむちゃくちゃ気になる音楽があって、しばらくわからなかったのを、誰かがジャズだと教えてくれた。さっそく学生時代はビッグバンドのサークルに入って、でもなぜかトランペットを吹いていた。

    卒業後は就職してバブルOL生活に突入。まじめに働いていた(つもり)が、向かなかった。会社に行きながらまたジャズを、今度はピアノで始めようと思い、ジャズピアニスト元岡一英氏に師事、そのあたたかく雄大な音楽性に影響を受ける。阪神大震災のあった年「人はこの世の中からいなくなってしまう存在」だということをやっと実感し、やりたい音楽をやるためにOLをやめた。

    95年頃よりプロ活動を開始。ソロ、ピアノトリオ、シンガーの伴奏など、ジャズ・ピアニストとしての精進は続行中。

    2003年春、ボーカリスト「黒船レディ」(水林史)に誘われて銀星楽団に「リリー婦人」として参加。楽曲の提供を始め、今日にいたる。2006年10月「古本屋のワルツ」をリリース。

     大事にしていること。明日はどうなるかわからないからこそ、音楽によって、その場の空気を多数の人とわかちあえる瞬間。
     
    趣味。月夜の散歩。古い洋館めぐり。お茶を飲むこと。本を読むこと。絵を見ること。

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  • Author:廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト)
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    音楽好きの両親と2人の姉のもと、5歳でクラシックピアノを始める。5年で挫折。でも譜面を見ないで弾くのは大好きだった。

    10代で映画にハマリ、名画館通いしているうちに、なんだかむちゃくちゃ気になる音楽があって、しばらくわからなかったのを、誰かがジャズだと教えてくれた。さっそく学生時代はビッグバンドのサークルに入って、でもなぜかトランペットを吹いていた。

    卒業後は就職してバブルOL生活に突入。まじめに働いていた(つもり)が、向かなかった。会社に行きながらまたジャズを、今度はピアノで始めようと思い、ジャズピアニスト元岡一英氏に師事、そのあたたかく雄大な音楽性に影響を受ける。阪神大震災のあった年「人はこの世の中からいなくなってしまう存在」だということをやっと実感し、やりたい音楽をやるためにOLをやめた。

    95年頃よりプロ活動を開始。ソロ、ピアノトリオ、シンガーの伴奏など、ジャズ・ピアニストとしての精進は続行中。

    2003年春、ボーカリスト「黒船レディ」(水林史)に誘われて銀星楽団に「リリー婦人」として参加。楽曲の提供を始め、今日にいたる。2006年10月「古本屋のワルツ」をリリース。

     大事にしていること。明日はどうなるかわからないからこそ、音楽によって、その場の空気を多数の人とわかちあえる瞬間。
     
    趣味。月夜の散歩。古い洋館めぐり。お茶を飲むこと。本を読むこと。絵を見ること。

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