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ピアニスト廣田ゆりの部屋

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わたしを離さないで(カズオ・イシグロ)

カズオ・イシグロの本を勧められたのは、
前世紀の終わり(!)頃、私がまだ会社員だった頃です。
全ての努力が空回りするのを、酒と六本木で癒して、通勤していた頃。
国際電話(!)で度々説教を食らっていた頃。。。
国際電話かけてまで怒りをぶつけたい対象だったのかと思うと頭が痛くなりますが、
今ではさすがに別の見方もできるようになりました。

で、ある時、海外出張で行った先で、
件の説教駐在員と顔を合わせ、
仲良く。。。なる前に、泣くほど、ガチ説教されました。
涙をこらえられない時点で、会社員には向いていないなあ、と思いました。

で、その方が、私が帰国する前にくださったのが、カズオ・イシグロ「日の名残り」
「まだ翻訳は出ていないけど、最近注目の作家だから。
 村上春樹さんが好きなら、きっと面白いよ」

この人は、多分、状況が違っていたら、
仲良くなれる人だったなあ。。。と思いました。
帰国後も、相変わらず叱られ続けたのですけど。

で。カズオ・イシグロ。
今更ですが、すばらしいですね。
「わたしを離さないで」(Never let me go)を、年末一気読みしました。
同名のタイトルのジャズスタンダードがあるので、
その曲が脳内で流れていました。
お話の内容は衝撃的なのですが、静かに淡々と語られているので、
心の深いところに沈んで行ってしっかり着床する小説でした。

本の中に出てきた、
「胸に古い世界をしっかり抱きかかえている」というフレーズが、
自分へのメッセージのような気がしました。



廣田ゆり20161118

今年もいろんな方にお世話になりました。
来年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
よいお年を!
















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最近スゴいと思ったことふたつ。

久しぶりに聞いたダラー・ブランド「アフリカン・ピアノ」。
この人、左手と右手の分離度高すぎ!
よく、前衛音楽的なテイストの演奏で、
ループしたリズムを電気的(?)に再生したのに合わせて、
おもむろにフリーな演奏を繰り広げる、というのはよくあることですが、
それをひとりで、同時におこなっているという。

右手がどんなに暴れても、冷静な左手が同じリズムをループしているアメイジングさ。
これ、意外にピアニスト以外には、わかってもらいにくいかもしれませんが。。。


そして、ふたつめは「そんで」。
忌野清志郎さんの「デイドリーム・ビリーバー」。
よくコマーシャルでもかかっていますが、ちゃんと全部の歌詞を聞いてみたら、
悲しい歌詞なんですね、これ。

原曲の英語の歌詞を見てみると、
夢みがちな彼と、美人の彼女が結ばれて、一緒に暮らして、
そろそろさまざまな「現実」に直面しつつあるという、
青春時代の終わりを予感させる内容で、
なんだか、映画「卒業」のラスト・シーンを思い出してしまいました。

で、清志郎バージョンでは、
「彼女」が亡きひとになってしまうという、さらに厳しい内容になっているので、若干趣がかわってみえていますが、
それでも、
振り返って、青春さなかだった頃、
洋々たる前途をなんの根拠もなく信じていた頃の
甘酸っぱい、しかも、のほほんとした気分、
は、原曲から引き継いだもので、
それを最も象徴的に表している言葉が、「そんで」だと思うのです。

すごいな、この言葉のセレクト。
「そして」にしなかったとこがミソだ。
ちょっとトシをとってくると、この「そんで」のぐだぐだ感にムカっとくる日もくるわけですが、
ユル~く「そんで」とか言っていられた日々が、どんなに幸せだったかも、その時わかるんですよね。
あっ。スゴく「大人」みたいなこと書いちゃった。


「ずっと夢を見て、安心してた
 僕はDay Dream believer そんで
 彼女はクイーン」
(デイドリーム・ビリーバー/タイマーズhttp://www.kget.jp/lyric/29762/)








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昔読んだ愛読書を読み直してみよう、キャンペーン中です。

今とりかかっているのは、ブラッドベリの「火星年代記」。
今日は、嵐の前の微妙な雨もようで、
小説に描かれる火星のメランコリックな風景と微妙に重なります。

この小説が1冊の本として出版されたのは1950年だそうですが、
火星、ときて思い出したのは、

「私を月につれていって。木星や火星の春がみてみたいの」
おなじみ「Fly me to the moon」(1954)。

この時代は宇宙への夢がきらきらしていた時代だったのでしょうね。

「彼女、僕のロケットに乗ってかない?月にでもデートしにいこうよ」
なんていうナンパな歌詞の曲を
あのナット・キング・コール様も歌っていらっしゃいました。
(「Destination Moon」1952 Roy Alfred & Marvin Fisher )

ところで、ブラッドベリの短編の中で私が好きな一篇は「いちご色の窓」(たぶん)というお話です。
どの本に入っていたか思い出せないのですが、
確か、どこか僻地の惑星に移住した夫婦の話で、
孤独で不安がる妻に、夫が一台のピアノを取り寄せてくれるという、それだけの話なのですが、

そのピアノがあるだけで、そんなどうしようもない孤独がいやされるなんて、
どんな響きがするんだろう。

当時乙女だった私は思ったわけです。

どんな響きがするんだろう。
本日の寒い雨模様の中、リアル私も、いま思っております。
















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ジャズシンガーさんの伴奏のお仕事で楽しいことのひとつに、MCがあります。
みなさん大体歌う曲の説明をされるのですが、個人の体験のフィルターを通して語られるので、
同じ曲のMCでも、人によって微妙にニュアンスが変わって、面白いのです。

まだ新人さんだと、歌詞の内容を説明するので精一杯ですが、そこがまた初々しくてよかったり。
ベテランさんになると、曲が使われたミュージカルや映画の話をしたり、
季節や、その日の天気にちなんで曲を選んだり、
時には、自分の体験にからめてちょっと意味深に曲紹介されると、
「一体彼女の過去になにがあったの~?!」と、イントロ出すのにも気もそぞろになったりして。

しかし、そんなジャズシンガーの世界に蔓延するおそろしい病があります。

ミュージシャンに渡す楽譜が間違ったりしたときに、
「ふめんなさい~」
と言い出したら、発病した証拠です。

どんな初々しいシンガーでも、どんなに麗しいシンガーでも、
業界に1年くらい浸かっていると、だいたいこの病にかかるようです。

そして、年季のはいったミュージシャンになると、
「夜も更けてきました。。。私も老けてまいりました。。。」

とか、
「次の曲はアントニオ・カルロス・ジョビンの『波』。。。一丁、つゆだくで」

とか、
「次の曲は、朝は友達じゃない、昼も友達じゃない。。。夕方フレンズ!」

など、若干手がこんできます。


最近聞いたなかで、最もスジガネイリだと思われた一例。
別れた恋人の幸せを祈る「I Wish you love」という曲を、それはそれは素晴らしく歌ったあるベテランミュージシャンが、
店いっぱいのうっとりしているお客様に向かって、ささやきかけるような声で、

「この歌の出だしは、
I wish you bluebirds in the spring
To give your heart a song to sing
And then a kiss, 。。。
 安全なキスってどんなんでしょうね?」


ほんと。どんなんでしょうね?




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だからどうしたっていう話題ですが。。。

「Someone Watch over me」と
「In a Sentimental Mood」と
「P.S.I love you」
の出だしが同じですよね。

管楽器やギターの人とやっていて、「次はむにゃむにゃ~(曲名)やるからね」
とか言われて、聞き返そうとしたら、
相手はもう最初の部分を吹き始めていた、、、とかいうときは、その先まで聞かないと曲がわかりません。

最近、「ちはやふる」を読んでいたら、
百人一首の上の句が途中まで同じ札のことを「大山札」と呼ぶ、というはなしがでてきましたが、
まさにそんな感じかと。
ドレミソラドのあとがレかシか、とかいうことが、
きみがため、までは一緒だけどそのあとが違う二首は、取るのをぎりぎりまで待つっていうのに似てるなあと。

あ、それだけの話なんですけど。

ちなみに「函館の女」の出だしもこれだなあと思います。



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Information

廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト・作曲)
  • Author: 廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト・作曲)
  • 東京都中野生まれ。かに座AB型

    廣田ゆり(ひろたゆり/ピアニスト・作曲)プロフィール

    ジャズミュージシャンとしての活動のかたわら、スウィンギー&スウィートな音楽性で、ノスタルジックポップスバンド「黒船レディと銀星楽団」、大人のためのカフェミュージック「Malt Oriental」、エキゾな「モスランズ」、バイオリンとコンガを主軸とした「月夜の散歩」など、独自の音楽世界にたずさわって、ユニークな活動を続けている。

    ボーカリストに寄り添うピアノ伴奏スタイル、古い映画音楽のような、ロマンチックなメロディメイキングのセンスに高い評価がある。

    リーダーCDに「ザ・ローリング・リリー~リリー婦人の7分半ピアノロール」(2009)、「ノミのサーカス」(2015年8月)、「月夜の散歩」(2017年7月)など。

    大事にしていること。明日はどうなるかわからないからこそ、音楽によって、その場の空気を多数の人とわかちあえる瞬間。

    趣味。月夜の散歩。自転車で東京都内をめぐること、お茶を飲むこと、。本を読むこと。絵を見ること。昼間のビール、夜更けのワイン。

    レッスンもいたします♪
    生徒募集中。
    コメント欄に管理人宛にコメントを送ってください。

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